Focal Points

KING RODRIGUEZ(Presidential Photo) / wikimedia.org

2019.9.25 Wed

<10月号プレビュー>
ドゥテルテの強権主義の秘密
―― ダバオモデルとフィリピンの社会契約

「面倒はみる。だが質問はするな」。これが、ドゥテルテがかつてはダバオ住民に、現在はフィリピン民衆に示している社会契約だ。彼はドラッグユーザーや犯罪者対策のために「殺人部隊」を使用していると言われる。法の支配と人権は明らかに無視されている。だが、任期6年の半分終えた時点で、支持率は80%近い。彼は麻薬との戦争、そして貧困層への戦争を試みる強権者として君臨する一方、施策をミクロレベルでとらえる「フィリピン市長」として振る舞っている。・・・(コロネル)

ドゥテルテは、欧米でどう思われようと、残虐な麻薬取締りで民衆の支持が得られる限り、路線を見直すことはないだろう。公正に言えば、ドゥテルテは麻薬撲滅以外にも、環境、交通渋滞、インフラ整備など、さまざまな領域で積極的な取り組みをみせている。外交領域では、アメリカとフィリピンの関係の「ニューノーマル」を確立することを決意しているようにみえる。・・・(ヘイダリアン)

(憲法を改正して)大統領選挙に再出馬するかどうか。確かに「なぜ大統領を続けないのか。われわれはあなたのことを信頼している」という声を耳にする。とはいえ、「後継者をうまく育てられるかどうかが、成功の指針だ」という私の両親の教えもある。人々の声と両親の教えの間のバランスをとる必要がある。・・・(私が、日本の防衛力強化をむしろ支持しているのは)第二次世界大戦後に日本がフィリピンに好ましい)行動をとってくれたからだ。(アキノ)

論文データベース

カスタマーサービス

平日10:00〜17:00

  • FAX03-5815-7153
  • general@foreignaffairsj.co.jp

Page Top