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2019.8.5 Mon

朝鮮半島をめぐる米中の攻防

一部の諸国は、大国間戦争を引き起こさないように配慮しつつも、リベラルな世界秩序への挑戦を試みるようになり、もはや経済領域での抗争は避けられなくなっている。いまや国際的軋轢の多くが生じているのは「戦争と平和の間のグレイゾーン」であり、この領域におけるもっともパワフルな「抑止力としての制裁システム」を確立する必要がある。(フィッシュマン)

北京の目的は平壌との関係修復ではなく、アメリカの地域的影響力に対抗し、朝鮮半島への中国の影響力を強化することに他ならない。仮に北京が米朝交渉における仲介者の役割を担えば、朝鮮半島での影響力を譲るようにアメリカを説得しやすくなる。北京が重視しているのは、戦争、外交のいずれのシナリオであっても、朝鮮半島における中国の利益を確保することにある。(マストロ )

なぜ韓国政府は対中和解を模索したのか。THAAD導入によって(中国の経済制裁の対象にされ)大きな経済的損失が出ていることについては国内で大きな批判があり、中国とのより緊密な関係を求める圧力も高まっていることに配慮したのかもしれない。トランプの無責任な北朝鮮挑発路線を前に、中国との距離を狭め、アメリカから距離を置こうとしたのかもしれない。だがワシントンにとっては、中国との二国間関係の改善を通じた短期的利益のために、韓国が未来の安全保障上のオプションを閉ざしてしまうとすれば、懸念すべき事態だ。・・・(グレーサー、コリンズ)

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