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2019.8.20 Tue

新「ドイツ問題」とヨーロッパの分裂
―― 旧ドイツ問題を封じ込めた秩序の解体

ドイツ問題を封じ込めてきたこれら戦後秩序の要因が、いまやすべて曖昧化している。ナショナリズムが台頭し、民主主義は逆風にさらされている。国際的な自由貿易体制は攻撃され、アメリカのヨーロッパへの安全保障コミットメントも疑問視されている。ヨーロッパそしてドイツの歴史からみて、このように変化する環境が、ドイツ人を含むヨーロッパ人の行動パターンを変えないと言い切れるだろうか。(ケーガン)

たしかに、ヨーロッパが「敵対的なロシア」と「無関心なアメリカ」の板挟みになれば、ベルリンはヨーロッパを政治的に守るだけでなく、軍事的に防衛することを求める大きな圧力にさらされる。だが、この国の核武装には「ドイツ問題」という歴史問題が関わってくるだけでなく、EUを中核に据えてきた戦後ドイツの国家アイデンティティそのものが揺るがされる。・・・(クーン、トリスタン・ボルペ )

ドイツをG7でナンバー2の大国と位置付ける専門家もいれば、その「ソフトパワー」がアメリカのそれに匹敵すると示唆する報告もある。だが、そうしたパワーをドイツは本当にもっているだろうか。メルケルはロシアのクリミア編入を「犯罪的行為」と呼び、中国の周辺海域での行動を批判しつつも、ロシアと中国の関係を維持することを望んでいる。ドイツは過大評価に甘んじるのではなく、そのパワーをもっと前向きに行使する方法について考えるべきだろう。(ニコルソン)

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