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2019.8.19 Mon
中台関係の新たな緊張
―― 北京が強硬策をとる理由
習近平は、「中国の夢」の重要な一部に統一を据え、あらゆる中国人に繁栄をもたらすだけでなく、台湾の公的な統一が必要になると主張している。しかし、「偉大なる復興」に必要とされる経済成長は停滞期に入りつつあるのかもしれない。あらゆる中国人に繁栄をもたらせないとすれば、習近平は海峡間関係の緊張をむしろ歓迎するかもしれない。台湾海峡の風は強く、波は高い。(マッザ)
アメリカ、中国、台湾での政治的展開によって新たな台湾海峡危機が起きる危険が高まっている。台湾統一は、習近平が重視する「中国の夢」アジェンダの一部であり、国内での正統性を強化するためにも台湾問題を解決しようとするかもしれない。ワシントンはすでに中国を敵視する路線にギアを入れ替えている。台湾海峡危機を阻止するためオプションを実施できる態勢を整備しておく必要がある。(チェース)
中国で対台湾強硬論が高まっている。北京は「台湾を締め付けてもアメリカは静観する」と信じているようだ。トランプ米大統領は「(中国を刺激するような)波風をたててもたいしたことにはならない」と考えている。問題は、これらがすべて間違っており、こうした希望的観測が重なり合うことで紛争リスクが高まっていることだ。(グリース、ワン)