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2019.8.1 Thu
次の金融危機に備えよ
―― なぜ危機は繰り返されるのか
2007年の危機は、金融危機に対して、政府が迅速かつ決意に満ちた対応をみせれば、非常に大きな違いをもたらせることを示した。・・・結局、金融メルトダウンがもたらす災難の背後には、貪欲、恐怖、歴史を忘れがちであるという重要な人的要因が存在する。あれほど衝撃的だった直近の金融危機が最後の金融危機にならない理由はここにある。(ラインハートほか)
なぜ金融危機は大きな政治的混乱を伴うのか。それは、危機に人が介在しているからだ。民衆は、危機を回避できなかったエリートたちを糾弾する。既存の政治システムへの信頼が損なわれ、極右のポピュリストが台頭する。もっとも、危機から5年もすれば、議会における政党の乱立と分裂現象は影を潜め、極右勢力は勢いを失う。だが2008年の金融危機は違う。・・・(フンケほか)
アメリカのバンカーが、規制当局、政治家、株主たちともに、金融危機とポピュリストの反動が再来するリスクを小さくすることを望むのなら、「ファイナンス」、「バンク」、「クレジット」の本来の意味を彼らのコンピュータスクリーン上に映し出しておくべきだ。これらの本来の意味に即して、銀行業を「目的達成のための手段で、信頼を基盤に社会グループによって遂行される活動」と捉えると、アメリカの金融の何が間違っていたか、将来に向けてそれをいかに是正していくべきかを考える助けになる。(テット)
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次の金融危機に備えよ
―― なぜ危機は繰り返されるのか2019年1月号 カーメン・ラインハート ハーバード大学ケネディ・スクール 教授(国際金融システム) ヴィンセント・ラインハート スタンディッシュ チーフ・エコノミスト
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長期化する金融危機の政治的余波
―― 極右政党の勢いが止まらない理由2018年11月号 マヌエル・フンケ 独キール世界経済研究所 リサーチャー モリッツ・シュラリック ボン大学 教授(経済学) クリストフ・トレベック 独キール世界経済研究所 教授(経済学)
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社会に貢献できる金融システムを
―― 金融危機の本質的教訓を生かすには2019年8月号 ジリアン・テット フィナンシャル・タイムズ 米国版総合編集者兼編集委員会委員長