Focal Points

2019.7.5 Fri

<2019年7月号プレビュー>
人口動態と未来の地政学、オートメーションとグローバル経済構造、ほか

(少子高齢化で)日欧は、今後数十年で自国の防衛コストを負担する意思も能力も失っていくだろう。一方、米の同盟国になるポテンシャルをもつインドネシア、フィリピン、そしてインドが台頭しつつある。国際秩序の未来が、成長する途上世界に左右されることを認識し、ワシントンはグローバル戦略を見直す必要がある。(エバースタット)

先進国の企業はかつて途上国にアウトソースしていた労働集約型製品の生産のために完全にオートメーション化された工場をすでに建設しつつある。こうしたスマートな工場の登場によって、企業はどこに投資するかを考える際に、労働コストで頭を悩ます必要から解放され、賃金とは別の要因を重視するようになった。一方、中国を含む中所得国、安価な労働力をツールにしてきた低所得国は、デジタルインフラの整備と教育を進めて、成長の基盤を築く必要があり、対策をとらない限り、失業問題に悩まされる。(ルンド)

すべては目的が何であるか、双方が勝利をどのように定義しているか、時間枠をどうみているかに左右される。アメリカ側にも中国側にも何をもって勝利とみなすかについてのコンセンサスはない。実際、より多くの米製品の輸入、より大きな市場アクセス、IT技術の保護で由とする立場から、米中経済の切り離しを求める立場にいたるまで、アメリカ側にはさまざまな意見がある。(E・エコノミー)

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