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Official White House Photo by Shealah Craighead

2019.7.19 Fri

米中経済はディカップリングへ?
―― 貿易戦争と米中経済の切り離し

2019年に入って最初の5カ月で、中国の対米輸出は4・8%減少したが、同時期に、中国にとって最大の貿易相手である欧州連合(EU)への輸出は14・2%上昇し、EUからの輸入も8・3%上昇している。一方、アメリカの対中輸出は2019年に入って以降の最初の5カ月で26%以上の落ち込みをみせた。有利な状況を手にしているのは中国であり、北京に妥協するつもりはない。貿易戦争、米中経済の切り離しのあるなしに関わらず、中国はアメリカからの経済独立コースを着実に歩み続けている。(ネーサン)

すべては目的が何であるか、双方が勝利をどのように定義しているか、時間枠をどうみているかに左右される。アメリカ側にも中国側にも何をもって勝利とみなすかについてのコンセンサスはない。実際、より多くの米製品の輸入、より大きな市場アクセス、IT技術の保護で由とする立場から、米中経済の切り離しを求める立場にいたるまで、アメリカ側にはさまざまな意見がある。(E・エコノミー)

現在の地政学構造は、一つの重要な例外を別にすれば、1970年代、あるいは、1920年代のそれと比べてさえ、それほどかけ離れてはいない。・・・インド、トルコ、イランの動きを別にすれば、過去と現在のもっとも大きな違いは、アジアのパワーバランスの鍵を握るプレイヤーとして中国が日本に取って代わったことだ。しかし、この2世代の間に中国が達成した成果は、リベラルな覇権国としてアメリカが主導した経済的開放性(各国の市場自由化)と(経済と貿易の流れをスムーズにした)グローバルな安全保障への貢献なしでは決して実現しなかったはずだ。(コトキン)

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