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2019.7.11 Thu
外交的経済パワー乱用の果てに
―― 米単独行動主義で揺らぐ同盟関係
トランプ政権の関税引き上げ策や対イラン制裁に象徴される単独行動主義は、同盟関係を揺るがし始めている。仏独英などのワシントンの緊密な同盟諸国は、イラン政府と直接接触して、アメリカの制裁を回避し、核合意を維持していくために、ドルを基盤とする金融システムから決済を迂回させる方法を特定しようと試みている。仮に他の諸国が連帯してアメリカの制裁を拒絶するようになれば、ワシントンはすべての国に制裁を課すか、制裁を断念するかしかなくなる。・・・(ルー)
イランに対するトランプの強硬なアプローチは、世界での長期的議論を喚起することになるかもしれない。北朝鮮の核の脅威や中国の強硬路線に対処していくためにアメリカの支援を必要とする日本と韓国は、イラン制裁への参加を回避したいと望みつつも、トランプとの間で大きな対立を抱え込むことを望んでいない。イラン制裁が実現しても、その後、ワシントンは同盟関係の修復に取り組まざるを得なくなるだろう。(ハレル)
威嚇、経済制裁、大言壮語で敵対勢力が譲歩すると期待するのがトランプの外交パターンだ。・・・トランプが「戦争は望んでいない」と述べたとすれば、彼はアメリカが紛争に巻き込まれていくリスクを回避したいと考えているのかもしれない。問題は、戦争を回避するのを助けてきた側近たちがもはやいないことだ。(ゴードン)