Focal Points

viewimage / Shutterstock.com

2019.5.23 Thu

米中貿易戦争とファーウェイ
―― テクノロジー競争の政治学

「中国の民間企業に対する共産党の影響力が高まっていること」をワシントンは懸念し、米議会が指摘している通り、中国政府が悪辣な目的でシステムの使用やアクセスを要請した場合、ファーウェイにはこれに協力する義務があること」を問題にしている。テクノロジー、経済政策、国家安全保障領域での欧米と中国間の緊張の高まりと不信感に派生しており、アメリカは、中国の経済政策、政府と民間企業の関係の構造的改革を求めている。(ウィリアムズ)

いずれ中国はサイバースペースを思いどおりに作り直し、インターネットの大部分は、中国製ハードウエアを利用して中国製アプリで動くようになるかもしれない。「難攻不落のサイバー防衛システム」を構築し、インターネット統治についての中国モデルの影響力を強化するだけでなく、人工知能(AI)や量子コンピュータ部門でも世界のリーダーになることを目指し、大がかりな投資をしている。(シーガル)

台頭する国家は自国の権利を強く意識するようになり、より大きな影響力と敬意を求めるようになる。かたや、チャレンジャーに直面した既存の大国は状況を恐れ、守りを固める。この環境で、誤算のリスクが高まり、相手の心を読めなくなる。米中にはこの「ツキジデスの罠」が待ち受けている。米中間には相手国の理解を阻む文明的な障壁が存在する。政治や経済制度への考え方の違いだけではない。国内の政治制度を下敷きとする国際ビジョンも、物事をとらえる時間枠も違う。必要なのは、相手への理解を深めることだ。(アリソン)

論文データベース

カスタマーサービス

平日10:00〜17:00

  • FAX03-5815-7153
  • general@foreignaffairsj.co.jp

Page Top