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2019.4.3 Wed
形骸化した抑止力
―― 新しい抑止概念の構築を
軍事競争は、新しい領域に拡大し、新しい軍事能力の登場によって、軍事的なパワーバランスを正確に評定するのは難しくなっている。一方で、認知科学の進化によって、ハイリスクの環境において人間がどのように行動するかに関するこれまでの理解が覆され、抑止を支えてきた理論的支柱が揺るがされている。これらが重なり合うことで、厄介で不可避の結論に行き着く。それは、抑止の形骸化に他ならない。(クレピネビッチ)
北朝鮮による一方的核放棄というフィクションを維持し、北朝鮮の核・ミサイル実験の再開を阻止するために、トランプは金に譲歩して、米軍の地域的プレゼンスの再編に応じるかもしれない。これによって現状は続き、問題は先送りされる。だが、北朝鮮の核開発という現実を否定することに依存する戦略は、いずれ内側あるいは外側から破綻して暴走し始め、これが北朝鮮との新たな核危機につながっていくリスクがある。(ミラー、ナラン)
北朝鮮による核のブレイクスルーによって、その行動を予見も牽制もできない個人独裁者が数百万の人々の運命を握っている。ワシントンは長期的な軍備管理にコミットしつつも、一方で、保有する核、その核ドクトリンを個人独裁国家の核武装という課題に適応できるように見直す必要がある。こうした個人独裁者の行動をうまく抑止し、必要なら、小型核を中心とする、個人独裁者をターゲットとする抑止戦略を準備する必要がある。(セーガン)