Gil Corzo / Shutterstock.com
2019.4.25 Thu
<2019年5月号プレビュー>
習近平モデルの成功と弊害
―― 成功が重荷と化すとき
習近平は、政治、社会、経済に共産党を深く浸透させる一方で、野心的で拡張的な外交政策に転じた。これらの多くが成功しているが、一方で大きな問題も生まれている。党が企業に深く浸透するようになったために、中国企業はいまや共産党の一部とみなされている。国際的な反発も高まっている。習近平モデルが作り出した問題に対処していくには、一期目のイニシアティブの多くを見直す必要がある。(エコノミー)
(中国は)カネをばらまけばアジア諸国を取り込めるし、国有企業はスパイ活動から得た機密情報も利用できる。しかし中国にはアキレス腱がある。それは、中国が支配的な国家になれば、他の諸国にも恩恵がもたらされるという互恵的なグローバルなビジョンを示していないことだ。それだけに、他国も恩恵を得られる形で世界をリードしてきたアメリカが、自国第一主義に固執するのは間違っている。(マストロ)
習近平は(毛沢東と鄧小平に次ぐ)「第3の革命」に着手している。対外政策と国内政策の垣根を取り払い、その政治的モデルを輸出し、権威主義志向をもつ外国の指導者たちを支える一方で、国際法の基盤を損なう行動、他の諸国の主権を脅かす行動をとっている。いまや、中国は、非自由主義国家としては初めてリベラルな世界秩序におけるリーダーシップを模索している。(エコノミー)