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2019.4.22 Mon
巨大債務と対外融資で苦しむ中国経済
―― 債務危機かそれとも政治的混乱か
人口の高齢化、生産年齢人口の減少など、中国経済のスローダウンを説明する要因は数多くある。だが重要なのは、中国の家計と国の債務がすでに先進諸国と同じレベルに達し、債務が名目GDPよりも速いペースで拡大していることだ。2019年1月の信用拡大は、2018年の年間社会融資総量合計の24%規模に達した。北京は高い経済成長率のためなら、進んでより大きな債務を抱え込むつもりのようだ。(ボールディング)
中国はグローバルな開発金融部門で支配的な地位をすでに確立している。だがこれは、欧米の開発融資機関が、厳格な安全基準の受け入れを相手国に求める一方で、中国が外交的影響力を拡大しようと、その間隙を縫って開発融資を増大させた結果に過ぎない。すでに一帯一路構想に基づく最大規模の融資の受け手であるアジア諸国の多くは、戦略的にインド、日本、アメリカと再び手を組む路線へシフトしつつある。(バタイネほか)
(中国経済において)もっともリスクが高いのは地方政府そして国有企業が抱え込んでいる膨大な債務だ。不動産市場の停滞で、地方政府が土地をツールとして債務不履行を先送りすることもできなくなる。経済成長の鈍化で、国有企業が債務まみれでオペレーションを続けるわけにもいかない。中国が債務問題を克服できなければ、中国経済に壊滅的な打撃を与える危機が起きるのは避けられなくなる。(チェン)