Focal Points

2019.3.15. Fri

<2019年3月号レビュー>
トランプ政権のいかさま経済学、イスラム世界におけるトルコのソフトパワー、ほか

税制改革案を発表したトランプは「この措置で財政赤字が膨らむことはない」と主張し、その理由として経済成長率が3%から6%にさえ達するからだとした。トランプ政権は、経済をもっと急速に成長させればあらゆる問題への解決策になると期待しているようだし、この経済成長は減税措置と規制緩和によって必然的に実現すると確信しているようだ。それが可能なら素晴らしいが、希望的観測である可能性が大きい。(マンキュー)

トルコの政府機関と市民組織は、スンニ派イスラムとトルコのナショナリズムを融合させた宗教教育プログラムを外国で実施し、トルコの言語と文化も教えている。このソフトパワー戦略はスーダンなどのアフリカ諸国では成功している。しかし、中東では「トルコは帝国的野望をもっている」と猜疑心で捉えられ、ヨーロッパ諸国政府は、「トルコ系移民の社会的同化を妨げる」と怒りを露わにして反発している。・・・(トル)

いまや世界は多極化し、財団も多種多彩になっている。カーネギー、フォード、ロックフェラーなどの米ファミリー系財団が独占してきた助成活動も、21世紀に入って、インドのアンバニ、ナイジェリアのダンゴート、中国のマー、メキシコのスリムなどの大富豪が設立した世界の財団と共有していくことになる。米財団は他国の財団による慈善事業の拡大を支援する方法を特定し、世界の新しい富のポテンシャルを解き放つ必要がある。(ウォーカー)

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