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2019.2.18. Mon
ドナルド・トランプと競争的権威主義
―― 抑制と均衡の形骸化は何をもたらすか
なぜドナルド・トランプ米大統領は好き勝手に振る舞えるのか。実際には、これは、トランプ個人に留まる問題ではなく、アメリカ政治を支えてきた抑制と均衡のシステムが形骸化していることで引き起こされている。米議会の外交専門家が少なくなり、国務省は虐げられ、国家安全保障会議が肥大化している。トランプは、かねて進行してきたこのシステムの劣化を前に、暴走しているに過ぎない。(ゴールドガイアー、エリザベス・N・サンダース )
民主主義が劣化していくにつれて、権威主義化していく。特に、選挙で勝利を手にするためなら何でもする「選挙権威主義」体制、そして選挙後に支配者が法を無視して思うままの行動をとるようになる「非自由主義的民主主義」が主流になっていくだろう。非自由主義的民主主義を実践しているトランプも同様だ。米共和党も、一般投票では敗れつつも、最近の2人の共和党大統領候補をホワイトハウスに送り込んでいる。・・・(スレーター)
トランプが大統領になったことで、この国が「競争的権威主義」、つまり、有意義な民主的制度は存在するが、政府が反対派の不利になるように国家権力を乱用する政治システムへ変化していく恐れがある。政府機関を政治化すれば、大統領は調査、告訴、刑事責任の対象から逃れられるようになる。政党間の分裂が激しければ、議会の監視委員会が、行政府に対して超党派の集団的な立場をまとめるのも難しい。(ミッキー、レヴィツキー、ウェイ)
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トランプが思うままに行動できる理由
―― 形骸化した抑制と均衡2018年11月号 ジェームズ・ゴールドガイアー アメリカン大学教授(国際関係論)、エリザベス・N・サンダース ジョージタウン大学外交大学院准教授
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民主国家で台頭する二つの権威主義
―― 選挙権威主義と非自由主義的民主主義の脅威2018年12月号 ダン・スレーター ミシガン大学教授
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アメリカ政治の分裂と民主体制の危機
―― ドナルド・トランプと競争的権威主義2017年6月号 ロバート・ミッキー ミシガン大学准教授(政治学)、スティーブン・レヴィツキー ハーバード大学教授(政治学)、ルキャン・アハマド・ウェイ トロント大学教授(政治学)