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2019.12.18 Wed

北東アジアの地政学と北朝鮮問題
―― 米朝二国間と多国間ゲームの間

金正恩の真意は、「非核化に応じた場合に得られる特権」を何の譲歩をすることもなく引き出すことにあるのかもしれない。平壌が今回の首脳会談で望んでいるのは、核保有国として受け入れられること、そして、経済制裁を緩和させることだろう。さらに重要なのは、中国の立場だ。習近平は、朝鮮半島からの米軍撤退のような、アメリカの同盟関係を機能不全に追い込むような外交プロセスを開始することが好ましいと考えている。北朝鮮問題の一方で、北東アジアの今後の地政学をめぐるゲームが展開されることを忘れてはならない。(グリーン)

「核・ミサイル実験の結果に十分に満足しており、今後は核兵器とミサイルの量産に焦点を合わせていく」。金正恩のこの発言が彼の真意なのかもしれない。現状での平壌の外交が、経済制裁を緩和させ、自国の核の兵器庫を受け入れさせるための、いつも通りの策略に過ぎないのなら、経済制裁履行のスローダウンは金の思惑通りということになる。「北朝鮮を完全に破壊する」とトランプが恫喝策をとった時代、軍事攻撃の危険があった時代へ回帰していくのを懸念するのなら、適切なタイミングで、より大きな国際的圧力をかける路線へ移行していくことを今から考えておく必要がある。(ブルーアー)

金正恩はなぜトランプとの首脳会談を求めたのか。トランプが期待するように、何としても制裁を緩和させるために、妥協せざるを得ないと考えているのか。それとも、米大統領と会談することで名声を手にし、核保有国として北朝鮮が実質的に受け入れられることを望んでいるのか。人間は自らの行動が、自分が意図する通りに他者からもみなされると考えがちだが、これは間違っている。ワシントンは北朝鮮の目的だけでなく、北朝鮮の高官たちがアメリカの目的をどのように理解し、米政府(や大統領)の表明を信頼できると考えているかどうかを検証する必要がある。(ジャービス、フーパー)

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