Focal Points

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2019.12.02 Mon

<12月号プレビュー>
ロシアとポストアメリカの中東
粉砕されたクルド人の夢、シリア北西部の現状

1980年代末の帝国の解体とともに、ソビエト・ロシアは中東から姿を消した。だが、2015年秋に流れは変化した。モスクワはシリアにロシア軍を派遣し、パワーブローカーとしての足場を中東に築き、今後ここから立ち去るつもりはない。問題は、治安と安定そして近代化の機会をアラブ社会が求めているのに対して、ロシアがオファーできるものをほとんど何も持っていないことだ。・・・・(ルーマー)

トランプは(米軍のシリアからの撤退という)クルド人に対する裏切り行為への米社会の反発を過小評価し、エルドアンは、トルコの残忍な侵攻作戦に対する国際社会の反発を軽くみていたようだ。カリフ国家を打倒するという数年に及んだ困難な試みの成果を、(米軍を撤退させ、トルコのシリア侵攻を認めたことで)トランプはあっさりと台無しにしたのかもしれない。いまやトルコと欧米の関係だけでなく、トルコの国内政治も、トルコと中東におけるクルド人との関係も不安定化している。(バーキー)

10月9日、シリアに展開する米軍が国境地帯から撤退した後、トルコ軍は国境を越えて、実質的なクルド人地域に進攻した。一方クルド人勢力の要請に応じてシリア軍が北東部に進攻した。10月下旬、ロシアのソチでプーチンとエルドアンが会談し、安全地帯の設定を含む国境地帯に関する合意が交わされた。事態は依然として流動的で、特にクルド人勢力がこれまで管理してきたイスラム国戦闘員の拘束施設や難民キャンプがどのような状態にあるかが懸念されている。(FAJ編集部)

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