Focal Points

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2019.11.7 Thu

<11月号プレビュー>
国際政治と指導者のキャラクター
―― 政治的潮流に占める指導者の役割

いまやわれわれの世界を(テクノロジーなどの)非人間的な力が変化させ、再定義しつつあるかにみえるだけに、国際政治の流れにおける指導者(の役割)を軽くみる(構造的現実主義の)見方も正当化できるのかもしれない。構造的な要因と技術的な変化が各国の行動を変化させているのは間違いない。しかし、現在でも、指導者たちは、国際政治の潮流に乗るか、その方向を制御するか、流れに抵抗するかを判断できる。政治と外交における指導者個人の役割にもっと配慮すれば、国際関係の単純なモデルで想定されるよりも政治がはるかに不確実で制約が多いことがわかるはずだ。(バイマン、ポラック)

サルマン国王は王族間のコンセンサスを重視する伝統的な統治モデルを一掃し、息子であるムハンマド・ビン・サルマン(MBS)を皇太子として王国のトップポジションに据える道筋を作った。MBSは副首相、国防相、経済開発評議会議長、政治安全保障委員会議長を兼務し、サウジのソフトパワーツールも管理している。忠誠委員会は、そのメンバーたちが2017年のいわゆる反政治腐敗弾圧によって拘束された後、解体された。皇太子は王族会議も解散し、宗教エスタブリッシュメントを周辺化しただけでなく、批判派と金融エリートも拘束した。サウジの君主制はいまや1人が絶対的権力をもつ全体主義体制へ変化している。(ラシード)

トランプのアメリカがファシズムに陥っていくと考えるのは行き過ぎだが、彼が大統領になったことで、この国が「競争的権威主義」、つまり、有意義な民主的制度は存在するが、政府が反対派の不利になるように国家権力を乱用する政治システムへ変化していく恐れがある。政府機関を政治化すれば、大統領は調査、告訴、刑事責任の対象から逃れられるようになる。政党間の分裂が激しければ、議会の監視委員会が、行政府に対して超党派の集団的な立場をまとめるのも難しい。(ミッキー 、レヴィツキー、ウェイ)

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