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2019.11.5 Tue

ドイツにおける「ポスト真実」の政治
―― 極右政党の勢いが止まらない理由

問題が起きたことが社会で広く認識されなければ、それを事件とみなし、解決策を考えることもできない。これまでなら、異なる見解は認められたが、明らかな嘘や間違いが許容されることはなかった。だが、アメリカ同様にドイツでも、そうして真実の時代と政治が終わりつつある。(ディーツ)

金融危機は、既存の政治システムへの信頼を損ない、極右のポピュリストを台頭させる。もっとも、危機から5年もすれば、政党の乱立と分裂現象は収まり、極右勢力は勢いを失う。だが2008年の金融危機は違う。10年を経ても、政治勢力の細分化や分裂、極右勢力の台頭が続いている。(フンケ、シュラリック、トレベック)

第一次世界大戦、大恐慌という大きなショックを経験したことを別にしても、根本的な問題は、当時の民主主義が、戦間期の社会が直面していた危機にうまく対処できなかったことだ。要するに、革命運動が脅威になるのは、民主主義が、直面する課題に対処できずに、革命運動がつけ込めるような危機を作り出した場合だ。ポピュリズムの台頭は、民主主義が問題に直面していることを示す現象にすぎない。(バーマン)

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