Focal Points

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2019.11.28 Thu

<12月号プレビュー>
オランダという世界最悪のタックスヘイブン
―― いかに改革し、解体するか

オランダの租税回避スキームを利用している企業にはグーグルやIBMも含まれる。もっとも、オランダに流れ込んだ資金は、時をおかずに他のタックスヘイブンへ移される。結局、タックスヘイブンであることから利益を引き出しているオランダ人は、直接・間接にこの産業に雇用されている会計士、弁護士、コンサルタントなど、約1万人程度で、オランダ経済全般への恩恵は非常に少ない。どうみても、改革そして制度の解体が必要だ。(ランガーロック、ヒートランド )

犯罪組織や途上国の独裁者だけでなく、超富裕層も多国籍企業も「自分にとって好ましくないルールを回避するために」資金や資産を「オフショア」と呼ばれる「他のどこか」に移動させている。好ましくないルールとは「税法、情報開示請求、刑法、あるいは金融規制」だ。タックスヘイブンは租税回避を容易にし、法の支配を弱め、組織犯罪の温床を作り出す。強大な力で保護されているこの世界最大の利権構造に切り込むのは容易ではない。(シャクソン)

格差は貧困の世代間連鎖の罠を作り出し、社会的流動性を低下させ、非常に多くの人を周辺化させる。このような現象が政治的余波を伴うのは避けられない。極端な格差が経済安全保障や社会的流動性を脅かさないようにするには、どのような政策が必要なのか。先ず、高額な報酬が支払われているエグゼクティブの所得が市場における効率的な働き、才能を反映したものなのか、それとも、それ以外のプロセスの結果なのかを解明しなければならない。(カーニー)

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