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2019.11.19 Tue

国際政治と指導者のキャラクター
―― 政治的潮流に占める指導者の役割

いまやわれわれの世界を(テクノロジーなどの)非人間的な力が変化させ、再定義しつつあるかにみえるだけに、国際政治の流れにおける指導者(の役割)を軽くみる(構造的現実主義の)見方も正当化できるのかもしれない。しかし、現在でも、指導者たちは、国際政治の潮流に乗るか、その方向を制御するか、流れに抵抗するかを判断できる。そして、その判断は、個々の指導者のキャラクターを理解しない限り、わからない。政治と外交における指導者個人の役割にもっと配慮すれば、国際関係の単純なモデルで想定されるよりも政治がはるかに不確実で制約が多いことがわかるはずだ。(バイマン、ポラック )

サルマン国王は王族間のコンセンサスを重視する伝統的な統治モデルを一掃し、息子であるムハンマド・ビン・サルマン(MBS)を皇太子として王国のトップポジションに据える道筋を作った。MBSは副首相、国防相、経済開発評議会議長、政治安全保障委員会議長を兼務し、サウジのソフトパワーツールも管理している。サウジの君主制はいまや1人が絶対的権力をもつ全体主義体制へ変化している。完全な服従と皇太子への忠誠を求めるサウジの新全体主義の環境のなかで、カショギ殺害事件は起きた。・・・(ラシード)

イランを共通の脅威とみなすイスラエルと湾岸諸国の関係はかつてなく良好な状態にある。イスラエルの国防担当高官は、「イランとの戦いをめぐって、イスラエルがサウジと情報共有をすることもできる」とさえ述べている。リヤドもイスラエルとの関係正常化に前向きのようだ。しかし、アラブ大衆のイスラエルへのイメージは大きく変化しているわけではなく、王室内にも伝統的路線にこだわる勢力もいる。・・・(クザンスキー、シャピロ )

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