Focal Points

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2019.11.11 Mon

<11月号ご紹介>
米英の「特別な関係」の真実
―― 疑いと不安と断ち切れぬ関係

ブレグジットに派生するヨーロッパとのギクシャクとした関係が続いているだけに、イギリスの貿易と安全保障領域での対米依存は今後ますます大きくなっていく。だが、英首相官邸、外務省、国防省の高官たちとの一連の対話から判断して、トランプ政権がイギリスのもっとも緊密な同盟関係の基盤を揺るがしているのは明らかだ。一部の高官が米英関係を描写するのに用いるのはもはや「特別な関係」ではなく、「不可欠な関係」だ。しかし、「不可欠な関係」の問題は、パートナーの行いがいかに悪くとも、関係を断ち切れなくなることだ。(ブルームフィールド)

トランプ政権にとって、大西洋関係の統合とは、ヨーロッパがアメリカの言う通りに動くことを意味するに過ぎなかった。すでに同盟は死滅している。今後、アメリカが、ヨーロッパのノスタルジックな幻想のなかに存在する利他的なパートナーになることはあり得ない。新しい大西洋関係には、同盟の価値を認識する米大統領と、域内の分裂を克服し、米欧の平等なパートナーシップにコミットするヨーロッパ人が必要になる。(ゴードン)

いまや世界はノスタルジックなナショナリズムに覆われている。紛争が起きやすい環境だ。しかし一方で、過去への郷愁が国家間協調を促すこともある。この文脈で、プライドを捨てきれないイギリス人の多くにとっての積年の夢、「アングロスフィア(英語圏諸国)」の再形成が次第に現実味を帯び始めている。これをきっかけに、世界は文化を共有するコミュニティへ分かれていくかもしれない。(カンパネッラ、ダッス)

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