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2019.10.29 Tue

人口減少と資本主義の終焉
―― 労働力確保と移民国家の間

ゼロ成長やマイナス成長の社会ではいかなる資本主義システムも機能しない。その具体例が、高齢化し、人口が減少している日本だ。人口の成長がゼロかマイナスの世界では、おそらく経済成長もゼロかマイナスになる。人口規模の小さな高齢社会では消費レベルも低下するからだ。資本主義はうまくいってもぼろぼろになり、悪くすると、完全に破綻するかもしれない。(カラベル)

日本政府は閉鎖的な移民政策を見直すことなく、外国人労働力受け入れのために二つの法的な抜け穴を作った。第1の抜け穴は日系人向けの「定住者」在留資格、もう一つは技能実習制度(TITP)だった。問題は、労働者不足が深刻化しているために、外国人労働者割当を増やさざるを得ないが、彼らに対する法的制約が見直されていないことだ。この状況が続けば、外国人労働者に社会や法律へのアクセスを閉ざした湾岸諸国のような状況に陥り、世界のリベラルな民主国家の一つとしての日本の名声が脅かされることになる。(ティアン、チャング)

「人口の配当」として知られる現象は経済に大きな影響を与える。この現象は合計特殊出生率が低下し、その後、女性が労働力に参加して、経済成長が刺激されることを言う。問題は、グローバル経済を牽引してきた中国が人口動態上の逆風を受けつつあることだ。今後、グローバル経済のエンジンを担うのはインドとサハラ砂漠以南のアフリカになるだろう。(カラム)

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