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2019.1.8 Tue
公衆衛生の改善と社会・経済の進化
―― 途上国における感染症対策成功のジレンマ
多額の資金を投じたプロジェクトによって、感染症から途上国の子どもたちを救うことに世界は成功した。しかし、青年期から中年期に、治療可能な生活習慣病のために命を落とす人が増えている。それだけではない。感染症を封じ込めても、若者の失業増、密集し整備が十分ではないインフラなどの問題が逆に社会の不安定化を引き起こしつつある。(ボリキー)
オピオイドが非常に危険なのは、致死量と通常の摂取量の間に僅かな違いしかないことだ。2000―16年にオピオイドの過剰摂取によって死亡したアメリカ人の数は、第一次世界大戦と第二次世界大戦のアメリカ人犠牲者の合計を上回っている。一方、製薬企業は、潜在的市場をアジアやヨーロッパに定め、マーケティングを展開しており、いまやオピオイド危機がクローバル化する恐れがある。(ハンフリーズ、コールキンスほか)
ゲノム編集によって、科学者たちは、貧困層を中心とする数百万人に障害を与え、命を奪っている疾患と闘うための、より優れた診断、治療法を発見しつつある。さらにこのテクノロジーを利用すれば、貧困を終わらせるための研究を加速し、例えば、途上国の何百万もの農民が栄養価も高く、丈夫な作物や家畜を育てられるようになる。(ゲイツ)
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公衆衛生の改善と社会・経済の進化
―― 途上国における感染症対策成功のジレンマ2019年1月号 トマス・ボリキー 米外交問題評議会ディレクター (グローバルヘルス・プログラム)
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グローバル化するオピオイドの脅威
――― 危険な薬剤のグローバル化がなぜ起きているか2018年6月号 キース・ハンフリーズ スタンフォード大学教授(精神医学)、ジョナサン・P・コールキンス カーネギーメロン大学教授(公共政策)、バンダ・フェルバブ=ブラウン ブルッキングズ研究所シニアフェロー
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ゲノム編集を人類の恩恵にするには
―― クリスパーが世界を変える2018年7月号 ビル・ゲイツ ビル&メリンダ・ゲイツ財団共同会長