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2019.1.28. Mon
マフィア国家の台頭
――政治腐敗という世界的潮流
いまや政府高官、政治家、情報機関や警察のトップ、軍人、そして極端なケースでは国家元首やその家族たちが、違法活動に関わっている。こうして犯罪組織と政府が融合した「マフィア国家」が誕生している。中国とロシアは言うまでもなく、アフリカや東ヨーロッパ、そしてラテンアメリカ諸国の犯罪者たちは、従来の犯罪組織では考えられなかったような政治的影響力を手にしている。(ナイーム)
政治腐敗は、権力者を豊かにするために設計されたシステムがうまく機能している証拠にすぎない。例えば、グアテマラの政権与党は、政党というより暴力団に近い。その役割は国を略奪することにある。アメリカも例外ではない。民主主義システムは、政府が公益に供する活動をすることを保証する手段として作られたが、システムが腐敗してしまった民主国家にそれを覆す力が残されているだろうか。(チェイズ)
ヒズボラ、マフディ軍、タリバーン、アルカイダ、ラシュカレトイバなどの、政府と民衆の間に割り込むようにメザニン(中二階)集団は、社会サービスや治安を提供することで、民衆の忠誠を勝ち取り、政府にはできない形で人々を鼓舞する力をもっている。問題は、政府にこれらのメザニン集団を管理する力がなく、しかも、国際法でも、この集団が作り出す問題にうまく対処できないことだ。(クロフォード、ミスシック)