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2019.1.21 Mon
機会のはしごが社会と経済を救う
―― 教訓と訓練の「機会」と経済的開放性
グローバル化の反動に対処するには、すべてのアメリカ人が変化のなかで失った安定感と目的意識を取り戻すために必要なツールを提供する必要がある。そのためには、すべての市民がグローバル化の波に適応するための人的資本を得られるような、生涯にわたる「機会のはしご」を構築すべきだ。誕生から幼稚園までの間のさまざまな早期幼児教育に始まり、高校を卒業後に4年制大学に進学しなかった人たち全員に、その学費を政府が負担して2年間のコミュニティカレッジでの教育をオファーすべきだ。(シーブ、スローター)
教育と医療への人的資本投資を怠れば、労働生産性と国の競争力は大きく損なわれる。現状を客観的に測定する人的投資の指標を世界銀行が提供すれば、必要とされる改革が何であるかについての思いを共有できるようになる。優先順位もはっきりしてくるし、様々な政策に関する有益な議論が起き、透明性も強化される。人的資本に適切に投資できなければ、人類の進化と連帯にとって、あまりにも大きなコストが生じることになる。(キム)
今回のリポート「教育の改革とアメリカの安全保障」でも指摘されているが、なぜ教育が国家安全保障にとって重要なのかというポイントから議論したい。リポートでは教育を国の統合を促す要素としてとらえている。簡単にいえば、教育が支える国の統合と連帯が存在しない限り、国防概念も成立しなくなる。逆に言えば、われわれは国の存在を当然視できない時代に生きている。・・・(クライン、ライス、モーラン)