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2019.1.16 Wed
戦後秩序は衰退から終焉へ
―― リベラルな国際秩序という幻
保護主義、ナショナリズム、ポピュリズムがさらに勢いをもち、民主主義は廃れていく。内戦や国家間紛争が頻発して常態化し、大国間のライバル関係も激化する。この描写に違和感を覚えないとすれば、現在の世界がこの方向に向かっているためだろう。・・・世界が壊滅的な事態に遭遇するというシナリオが不可避でないことはグッドニュースだ。バッドニュースは、そうならないという確証が存在しないことだ。(ハース)
いまや政府は戦後の税金を前提とする国家から、債務を前提とする国家へと変貌している。政府債務の増大によって、国際資本が、各国の市民の望みを潰してでも、自分たちの意向を各国政府に強要する影響力をもつようになった。こうして市民たちは、いわゆる調整コストを運命として受け入れるのを次第に嫌がるようになった。・・・(ブリス)
必要なのは、アメリカは自らがイメージする通りに戦後世界を形作ったとする空想上の過去に戻ることではない。幸い、国内の民主主義を再建するために、中ロその他の国の人々にアメリカの自由主義思想を受け入れてもらう必要はないし、他国の政治制度を民主体制に変える必要もない。自由主義であれ、非自由主義であれ、「多様性を受け入れる」世界秩序を維持するだけで十分ではないか。(アリソン)