Focal Points

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2018.9.14 Fri

温暖化と異常気象が人類を脅かす
―― ダメージ管理から環境浄化への道を

後1世紀の気温上昇が世界平均で6度以上になる確率が約5%ある。これは、これまで想定外とされてきた最悪のシナリオが予想以上に早い段階で現実と化す恐れがあることを意味する。もはやこれらの危険が抽象的なわけでも遠い未来の話というわけでもない。気候変動の衝撃は急速に大きくなっているし、温室効果ガス排出の現在の軌道を変化させるには時間がかかるだけに、こうした未来の到来を阻止する努力を直ちに開始しなければならない。(ラマナタン)

気候変動が進んでいる以上、国の存続と海洋境界線の安定した存続を想定する国際法は過去の遺物と化しつつある。領土が水没した後に沈みゆく国が存続の道を模索しても、国家という呼称は例外としても、領土、行政サービス、資源に対する権利を含む、全てを諦めなければならない。うまくいったとしても、気候変動難民には、空洞化した市民権が残されるだけで、何の権利も与えられない。悪くすると、一切の市民権が消失するかもしれない。(サイクス)

資源の獲得を競い合って世界戦争が起きるという予測はすこし度が過ぎている。しかし、水資源利用をめぐる緊張が既存の地域紛争をさらにエスカレートさせる恐れは十分にある。地球温暖化によって干ばつ、水害、その他の異常気象が増えて、水資源の量と質がともに変化していく恐れがあるだけに、これが対立の増幅装置となり、不安定な地域がますます不安定化する恐れがある。(ダイナー)




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