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2018.8.9 Thu
何が近未来の世界を規定するか
―― 気候変動、米中対立、人工知能
デジタル革命が人類史上最大の地政学的革命になることを強く認識すべきだ。産業革命は世界を変えたが、機械が人間の筋肉の代役を果たすようになっただけだった。機械の製造、操作、保守・整備にはまだ人の頭脳が必要とされたため、むしろ、高賃金雇用が数多く創出された。しかしデジタル革命では人間の頭脳を代替できる人工知能が登場する。本質的に、人間レベルのAIは人間ができることすべてをより巧みに遂行できる。・・・真に開花するまでに100年以上を要した産業革命とは違って、デジタル革命の雇用喪失はわずか数十年で加速していく。(ドラム)
気候変動とは、地球温暖化だけではない。世界は、気候科学者のキャサリン・ヘイホーが、「グローバル・ウィアーディング(地球環境の異様な変化)」と呼ぶ時代に突入しつつある。・・・新しい気象パターンは、社会的にも経済的にも大混乱を引き起こす。海面が上昇し、農地が枯れ、より猛烈な嵐や洪水が起きるようになり、居住できなくなる国も出てくる。こうした変化は、国際システムに前代未聞の試練を与えることになる。(バズビー)
中国の台頭を予見した19世紀初頭の予測は、間違っていたのではなく、時期尚早なだけだったのかもしれない。すでに中国の勢力圏は拡大を続けており、現在問われているのは、中国が他国を手荒く扱ってでもルールを設定・強制しようするか、あるいはアメリカがグローバルなリーダーシップを中国と共有していくかどうかだろう。(コトキン)