2018.8.24 Fri
<2018年9月号プレビュー>
中国の未来と韓国の現在
―― なぜ政治的自由化が必然なのか、ほか
朴正煕時代の韓国同様に、中国は政治改革なしで経済的自由化を進めることの限界に、まさに直面している。現在の中国は、国の管理に依存した結果、大規模な無駄と過剰生産能力を抱え込んでいる。国有企業は経済成長の大きな足かせとなり、改革が遅れている。中国を待ち受けている道は二つある。今後も経済的成功を可能にする政治の自由化、あるいは、ゆっくりとだが、着実に中国の経済成長を蝕んでいく権威主義への後退だ。朴正煕時代の韓国の教訓とは、経済成長を持続させるには、政治の自由化以外に道はないということだ。(チャイボン)
中国が尖閣諸島を侵略する危険が高まるなか、日本が防衛支出を増やすだけでは、中国が突きつける脅威の進化に十分に対処していくことはできない。日本は、長期的に実行可能な防衛能力を広く示せる積極的拒否戦略を採用すべきだろう。初期段階で日本を圧倒する攻撃を敵が試みるのを拒否し、いかなる紛争であってもそれを長期戦へと間違いなく引き込める見込みを作り出せば、日本が(尖閣などの)中国に近い地域で軍事的支配状況を妥当なコストで確立するのが急速に非現実的になりつつあるとしても、積極的拒否戦略で抑止状況を大きく強化できる。(ヘジンボサム、サミュエルズ)
習近平は、自らが示した今後の中国のビジョン「中国の夢」において統一をより重要な要素として位置づけたにも関わらず、台湾での統一への支持率が急落していることを懸念している。実際、最近の蔡英文による「北京による非常に大きな圧力」に関する一連の発言は、欧米の専門家たちが気づいていない点を彼女が憂慮していることを意味する。それは「台北と北京の関係が急速に不安定化し、台湾海峡危機のリスクが高まっていること」に他ならない。(マッザ)