Focal Points

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2018.7.27 Fri

<8月号プレビュー>
人工知能とデジタル権威主義
―― 民主主義は生き残れるか

これまでになく詳細に市民を監視し、(市民生活の)実態を理解し、統制する能力を政府に授ける人工知能が、冷戦後初めて、権威主義諸国を中心とする諸国に「リベラルな民主主義に代わる妥当な選択肢」を与えるだろう。中国政府は、批判的な大衆を統制するためにサーベイランス(監視)と機械学習のツールを用いて、彼らの言う「社会信用システム」を導入し、デジタル権威主義国家を構築し始めている。すでに、こうした中国のシステムを購入するか、模倣し始めた、似たような考えを抱く諸国もある。(ライト)

会計事務所のPwCの2017年の分析によれば、アメリカの仕事の38%が「2030年代初頭までにオートメーション化される恐れがかなりある」。そのほとんどがフォークリフト・オペレーター、組立工、レジ係のようなパターン化されたルーティンワークの職種だ。だが、AI研究者たちは、2040年までに(AI搭載の)コンピュータは、独創的な数学研究や外科手術、ベストセラー小説の執筆などのタスクに必要とされるレベルの記憶力と関心の振り分けができるようになると予測している。(ドラム)

米大統領経済諮問委員会は2016年の報告で、今後時給20ドル未満の雇用の83%がオートメーション化されると予測している。こうした労働市場の大きな変化を考えれば、新技術の恩恵をうまく摘み取るだけでなく、取り残される人々を保護するための救済策の実施が必要になる。現段階でどのような選択をするかが、非常に重要になる。間違った政策をとれば、世界の多くの人を経済的に路頭に迷わせ、機械との闘いに敗れた人を放置することになる。(マカフィー、ブリュニョルフソン)

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