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2018.7.24 Tue
<8月号プレビュー>
気候変動にどう向き合うか
―― 地政学的混乱、水資源争奪戦、地球工学オプション
気候変動とは、地球温暖化だけではない。世界は、気候科学者のキャサリン・ヘイホーが、「グローバル・ウィアーディング(地球環境の異様な変化)」と呼ぶ時代に突入しつつある。考えられない気象パターンがあらゆる場所で起きている。・・・気候変動がひどく忌まわしいのは、地政学への影響をもつことだ。新しい気象パターンは、社会的にも経済的にも大混乱を引き起こす。海面が上昇し、農地が枯れ、より猛烈な嵐や洪水が起きるようになり、居住できなくなる国も出てくる。こうした変化は、国際システムに前代未聞の試練を与えることになる。(バズビー)
地球温暖化によって干ばつ、水害、その他の異常気象が増えるなか、水資源の量と質がともに変化する恐れが出てきている。世界の276の国際河川のうちの24の河川では、すでに流水量が変化し、水資源をめぐる政治的緊張が高まっている。例えば、上流域に位置する国と下流域に位置する諸国が、水力発電のエネルギー源として、あるいは農業用水として、水資源を争っているからだ。(ダイナー、デ=ステファノ、ダンカン、スタール、ストルゼペック、ウォルフ)
政策決定者は、地球温暖化の余波を少しでも和らげるための緊急対応戦略として(太陽光の一部を遮断するために)反射性の粒子を大気中にちりばめたり、あるいは、地球を冷やすためのサンシェード(日よけ)を設けたりするなど、地球規模のスケールで工学システムを配備することの恩恵とリスクの分析を開始すべきだ。ただし、地球工学的なやり方で地球を冷やすことはできるが、大気中に蓄積される二酸化炭素の排出量を減らすことはできないし、その余波がどのようなものになるかもはっきりしない。(ビクター、モーガン、アプト、ステインブルーナー、リック)
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ワーミング・ワールド
―― 気候変動というシステミック・リスク2018年8月号 ジョシュア・バズビー テキサス大学オースティン校 准教授(公共政策)
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地球温暖化と水資源争奪戦
2012年11月号 シュロミ・ダイナー フロリダ国際大学准教授、ルシア・デ=ステファノ マドリッド・コンプルーテンス大学、ジェームズ・ダンカン、世界銀行コンサルタント(天然資源統治)、カースティン・スタール フレイバーグ大学 シニアサイエンティスト、ケネス・M・ストルゼペック MIT リサーチサイエンティスト、アーロン・T・ウォルフ オレゴン州立大学教授
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温暖化対策の切り札としての地球工学オプション
―― 地球工学オプションの恩恵とリスクの検証を2010年5月号 デビッド・ビクター スタンフォード大学教授、M・グランジャー・モーガン カーネギーメロン大学 工学・公共政策学部・学部長、ジャイ・アプト カーネギーメロン大学工学・公共政策学部教授、ジョン・ステインブルーナー メリーランド大学教授、キャサリン・リック カーネギーメロン大学博士課程在籍