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2018.7.20 Fri
勝者なき重商主義と貿易戦争
―― 貿易と安全保障
アメリカは歴史的に自由貿易と平和を結びつけ、貿易障壁と戦争を結びつけてきた。大恐慌(とその後の長期不況)そしてヨーロッパにおけるファシズムの成功は、1930年代の関税引き上げと保護主義が大きな要因だったと考えられてきたし、冷戦終結後も、貿易は相手国の社会を変貌させ(市場経済と民主主義を定着させるので)国際的平和の基盤を提供すると考えられてきた。しかし・・・(ハールバート)
「中国を為替操作国のリストに入れ、世界貿易機関(WTO)に提訴し、中国製品の輸入関税を引き上げる」とトランプはこれまで何度も繰り返してきた。彼は中国からの輸入を抑えることで公正な競争基盤を取り戻せば、アメリカ国内の製造業は復活すると主張しているが、それは妄想にすぎない。アメリカの製造業雇用はかつてなく減少しているが、一方で工業生産量が歴史的な高水準に達していることの意味合いを考える必要がある。(カンパネッラ)
グローバル化は反グローバル化に道を譲ったのではなく、新しい段階に入ったにすぎない。モノのグローバル化から最大の恩恵を引き出した政治・経済エリートと、最大の余波にさらされた労働者コミュニティーが激しい論争を展開している間にも、デジタルテクノロジーが支える新しいグローバル化が急速に進展している。(ルンド、タイソン)