Zapp2Photo / Shutterstock.com
2018.7.2 Mon
テクノロジー・ワールド
―― 人工知能が地政学と雇用に与える影響
全般的に、戦争そのものが機械によって主導されることになるだろう。AIを保有しない国は戦争に勝つチャンスがなく、一方、最高水準のAIを有する国には望むものを手に入れるもっと良いツールを持っている。巧妙なプロパガンダキャンペーンやほぼ検知不能なサイバー戦争が、空母や巡航ミサイルに取って代わっていくことになるだろう。(ドラム)
カスタマーサービスから、医療診断までの、パターンをマッチさせるタスクは次第に機械が行うようになった。低賃金の雇用が特にリスクにさらされる。米大統領経済諮問委員会は2016年の報告で、今後時給20ドル未満の雇用の83%がオートメーション化されると予測している。こうした労働市場の大きな変化を考えれば、新技術の恩恵をうまく摘み取るだけでなく、取り残される人々を保護するための救済策の実施が必要になる。(マカフィー、ブリュニョルフソン)
ツールが利用できるようになれば、仕事は段階的に変化していく。AIのスイッチを入れただけで、唐突に雇用が消失するわけではない。仕事は段階的に変化し、その間に、新しいツールを管理する能力を身に付けるために、人々を訓練することもできる。仕事の進化に時間がかかるのと同様に、人々の訓練にも時間がかかる。一方で、よりデジタル化され、コンピュータ化された世界で暮らすことになる新世代の子供たちのことを考えなければならない。テクノロジーにどのように接するかを、われわれが教え、子供たちに備えさせなければならない。(マニュイカ、ラス、ボメル)
-
テクノロジー・ワールド
―― 地政学革命としての人工知能2018年7月号 ケビン・ドラム マザージョーンズ スタッフライター
-
人工知能と「雇用なき経済」の時代
―― 人間が働くことの価値を守るには2016年8月号 アンドリュー・マカフィー マサチューセッツ工科大学 首席リサーチサイエンティスト、エリック・ブリュニョルフソン マサチューセッツ工科大学 教授
-
CFR Events
人工知能と雇用の未来
―― 人間と人工知能の共生を2017年1月号 ジェームズ・マニュイカ マッキンゼー&カンパニー シニアパートナー<br> ダニエラ・ラス マサチューセッツ工科大学(MIT)教授<br> エドウィン・ファン・ボメル IPsoft チーフ・コグニティブ・オフィサー