Focal Points

wikimedia / Dan Scavino

2018.6.4 Mon

非核化と体制保証の間
―― 交渉で何が起きるか分からない理由

トランプは「カードを握っているのは自分だ」と考えている。「最大限の圧力」によってひどく追い込まれているために、金正恩は核兵器を交渉によって放棄するだろうとトランプは考えている。韓国の文在寅大統領は「金正恩は非核化を真剣に考慮している」と頑なに主張しているが、核保有を実質的に立証した国の指導者として、金正恩が交渉を有利に進められると考えているのは明らかだろう。金正恩にとって、父と祖父が望みながらも、果たせなかった夢を実現し、有利な立場で交渉すること以外、米大統領と一対一で交渉する理由などないはずだ。(ユン)

米朝会談で考えるべきは要素の第1は交渉で取り上げるアジェンダの「幅」だ。核関連の能力と物質だけを交渉で取り上げることもできが、これを超えて通常戦力、人権などの領域に関しても交渉目的に据えることもできる。第2は交渉の「奥行き」だ。どの程度まで踏み込んで、代わりに何をオファーするか。第3は交渉の「構造」だ。どのようなペースで合意をまとめ、それを先につなげていくか。そして、最後は合意の形式だ。条約化するのか、それとも、よりインフォーマルな形式の合意にするのか。その決定は、政治的考慮、法的考慮に左右される。(ハース)

プーチン大統領は、北東アジアでロシアが長く手にできなかった影響力と手段を得たいと考えているようだ。モスクワは朝鮮半島外交、特に6者協議で前向きな役割を果たすことで、そうした影響力と手段を手に入れようと試みている。最近では、中国が熱心に制裁を履行する一方で、ロシアは北朝鮮を経済的に支援している。これは、支援によって金が再び問題行動をとるようになれば、(北朝鮮とつながりをもつ国として)ロシアの影響力が高まることを期待しているからだ。(グリーン)

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