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2018.6.28 Thu
習近平革命の本質と衝撃
―― 外交と内政の垣根を取り払った権威主義国家
習近平は「市場改革をさらに進めるのではないか」という期待を彼は裏切り続けている。改革を進めるどころか、国有企業を強化して経済開発戦略の重要な歯車として扱い、企業内の共産党委員会により大きな権限を与えている。近年では、これら企業内の党委員会の役割をめぐって規律の乱れがあるが、体制側の意向によって、経営陣は主要な企業決定をめぐって党委員会のアドバイスを求めざるを得ず、その承認が必要になることもある。さらに北京は、2017年にアリババやテンセントを含むメディアやテクノロジー企業の一部株式を試験的に取得し、それに応じた意思決定権も手に入れている。(エコノミー)
台頭する国家は自国の権利を強く意識するようになり、より大きな影響力と敬意を求めるようになる。かたや、チャレンジャーに直面した既存の大国は状況を恐れ、守りを固める。この環境で、誤算のリスクが高まり、相手の心を読めなくなる。米中にはこの「ツキジデスの罠」が待ち受けている。中アプローチを立案しているトランプ政権の高官たちは、古代中国の軍事思想家、孫武の著作に目を通すべきだろう。「敵を知り己を知れば百戦危うからず。己を知るも、敵を知らなければ勝ち負けを繰り返し、敵も己も知らなければ、一度も勝てぬままに終わる」。(アリソン)
リビジョニストパワーは中国だけではない。第二次世界大戦終結以後のアメリカも、リベラリズム、市場経済を拡散し、アメリカの世界的影響力を強化することで、現状を覆してきた。現在においても東アジアでベトナムをアメリカの地域パートナー、あるいは同盟ネットワークに組み込めば、これまでの市場経済民主主義の促進策を踏襲できるかもしれないし、ベトナムを中国の圧力から解放できるかもしれない。しかし、アメリカとベトナムが同盟国になれば、現状は劇的に変化し、中国がこれを快く思うはずはない。アメリカの外交分析者たちは、ベトナムとアメリカが緊密な関係になることの恩恵ばかりを強調し、この展開が北京の眼にいかに大きな脅威と映るかについて言及することはない。(リンド)