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2018.6.26 Tue
中国の不公正貿易慣行にどう対処する
―― 関税ではなく、国際ルールの確立と国内投資を
中国が世界の貿易システムやアメリカの経済利益にダメージを与えてきたのは間違いない。長年にわたって、補助金で支えられた製品を世界市場に大量に送りこみ、(中国市場に進出した)米企業に国内企業への技術移転を強要し、中国市場の広範な部門への外国企業のアクセスを制限し、知的財産の窃盗に手を染めてきた。その点、トランプが、中国の重商主義的な貿易慣行を国民的関心事に引き上げたことは国への貢献だった。しかし、幅広い分野で(相手を問わず、普遍的に)関税を引き上げ、輸入を制限するやり方は、アメリカの企業や消費者に悪影響を、同盟諸国にダメージを与え、世界の貿易システムを衰退させる。(グッドマン、ラトナー)
中国のバランスを欠いた経済成長モデルを懸念するよりも、都市部で働く農村部からの出稼ぎ労働者に、都市部住民に与えられている社会・経済的サービスへのアクセスを認めるように説得することに力を入れるべきだ。平等という視点からみてもこれは正しい路線だし、そうすることで個人消費を刺激し、中国の貿易黒字を抑制し、世界貿易の緊張を和らげていく助けになる。地政学的には、国家間の経済システムの違いが懸念を生じさせることもあるが、その解決策がゼロサムゲームである必要はない。(ファン)
この20年で、世界市場での輸出競争は大きく様変わりした。ますます多くの国が、確立された国際的ガイドラインやルールを無視した行動をとるようになり、実質的に無法地帯のなかで輸出競争が展開されている。相手国への輸出契約を独占しようと数十億単位の資金をばらまく中国のやり方を前に、輸出入銀行にこれまで以上の大きな権限を与え、柔軟に活動させている国も多い。世界には60の輸出信用機関が存在するが、議会の一部が輸出入銀行の信用保証能力を弱めようと議論しているのはアメリカだけだ。(ホッチバーグ )