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2018.6.25 Mon

次期サウジ国王の野望と夢
―― 壮大な社会・経済改革の行方

宗教指導者の一部は、運転を認めれば女性の道徳的立場が損なわれると主張したが、その代替策はタクシーであれ、自家用車であれ、身内ではない男性が運転する車に女性が同乗することでしかなく、この主張に力はなかった。サウジ社会がこの変化を許容できる環境は随分前から整っていた。これまで政治指導者が変化の引き金を引く政治的意志をもっていなかっただけで、この点、サルマン皇太子は違っていた。(ゴースIII )

人口動態上のユースバルジ(若年人口の突出)をもつサウジでは、今後15年間で600万人もの若者が労働市場に参入し、その労働力はほぼ倍増する。実際のところ、この国に変革を迫っている主要な要因は、原油安ではなく、人口増大問題だ。人口増加圧力があまりにも大きいために、たとえ原油価格が上昇しても、家計収入の80%が公的部門の給与とさまざまな補助金に依存している現在の経済モデルは維持できなくなる。リヤドはこの問題を認識しており、すでに行動計画をまとめている。2016年4月に公表された野心的な「ビジョン2030」、特にこの構想に盛り込まれた「国家変革計画2020」がその中枢だ。(クローリー、ベンシー)

後見人制度はサウジ経済に影を落としている。後見人の許可がなくては経済的に自立できないため、こうした女性たちは国に法的、財政的な支援を求めており、その結果、社会保障制度が大きな圧力にさらされている。サウジの平均的な月間世帯収入は3800ドルだが、女性が労働力に参入しない限り(今後)20%減少することになり、一方で女性の労働が認められれば60%増加すると予測されている。石油からの歳入が十分に期待でき、安価な外国人労働者を簡単に見つけられる環境なら、政府がそうした社会保障コストを負担するのも難しくはなかっただろう(しかし、いまやそうではない)(アルドサリ)

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