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2018.6.19 Tue

習近平による第三の革命
―― 外交と内政の垣根を取り払った権威主義国家

グローバルステージにおける野心をもっているとはいえ、習近平が、中国の利益を国際コミュニティの利益となじませるか、あるいは、自国の利益よりも国際社会の利益を優先する決意を示して(大国としての)グローバルリーダーシップを発揮したことはほとんどない。平和維持活動への貢献などの少数の例外を別にすれば、グローバルな公共財を支える動きをみせるのは、それが中国の短期的な利益に合致する場合、あるいは、外から圧力をかけられた場合に限られる。(エコノミー)

中国の経験から複数政党制による選挙が必要だという民主化の狭い概念を捨て去る必要がある。民主的特質と恩恵の一部は、中国のケースが示す通り、一党支配の下でも実現できる。政治改革を外から強いるよりも、官僚組織改革を進めたほうがうまくいくかもしれない。長期的には、官僚組織改革が刺激する経済成長が、政治改革を求める有意義な圧力を生み出すはずだからだ。民主化はその国にかねて存在する伝統と制度(中国の場合はレーニン主義的な官僚組織)を改革すると、もっともうまく進展させられることを中国の経験は示している。まったく馴染みのない制度を輸入するよりも、すでにあるものをベースにしたほうが政治改革をうまく促進できる。(アン)

中国の覇権を認めるわけにはいかないと考えるなら、日本は国家安全保障政策を見直す必要がある。世界全体に利益とコミットメントを有するアメリカが、アジアに投入できる資源には限界がある。単独で北京に対抗する意志をもつことはないだろうし、それに必要な資源を振り分けることもないだろう。日本は、かつての西ドイツのように振る舞うべきかもしれない。アメリカの同盟国だった西ドイツは、敵対的で軍事力に勝る超大国・ソビエトの直接的な脅威にさらされつつも、軍事力を動員して、アメリカの真のパートナーとして自国の防衛を維持してきた。(リンド)

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