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2018.6.14 Thu
日本の未来を考える
―― 少子高齢化、大学教育、経済生産性
「日本は衰退しているか」。一部の領域ではたしかに日本は衰退しているかもしれない。だが重要な側面において、衰退などしていない。世界経済における日本の相対的立場が低下していることは広く知られている。とはいえ、あなたは、世界第2の経済大国中国と世界第3の経済国家日本のどちらで暮らしたいと考えるだろうか。生活レベル、大気、飲料水、食事の質、医療ケアその他の社会サービスのレベル、そして平均余命など、さまざまな指標からみて、答えははっきりしている。台頭する中国よりも、「衰退途上の」日本で暮らすほうが、はるかにいい。(カーチス)
日本の教育システムについては、無数の問題が指摘されてきたが、その最大のものは大学入試かもしれない。大学の入試試験は、若者の人生を決める1回のテストで、毎年約50万人の高校生が受験している。その出来が、名声によってランクづけされた大学に入学できるかどうかを決める。しかし企業の採用担当者から見れば、大学は人材を供給してくれる存在にすぎない。彼らは学生が大学で何をしたかよりも、大学名に注目する。成績さえ無意味とみなされる。だから学生は勉強しようという気にならないし、教員は教えようという気にならない。その結果、大学は学生にとって「レジャーランド」になっていると、芦沢はいう。(スチュワート)
労働参加率を上昇させる一方で、技術革新への投資などで生産性の向上をはかり、労働力を強化しても十分な成果は見込めないだろう。さらに高齢者の労働を奨励しても生産性に悪影響を与える。高齢者がうまく利用できない洗練された技術を導入してもその生産性を向上させることはできないからだ。むしろ政策立案者たちは、このようなイニシアティブとともに、人口動態の変化と生産性のダイナミクスとの関連を断ち切ることを目指した政策を併用すべきだ。(カンパネッラ)