Focal Points

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2018.5.29 Tue

<6月号プレビュー>
グローバル金融を蝕むタックスヘイブン
―― 犯罪と格差の象徴を粉砕するには

タックスヘイブンとの戦いの潜在的なパートナーはすでに数多くいるが、パートナーの輪は今後さらに大きくなっていくだろう。右派は犯罪と市場の腐敗を懸念し、左派は格差と企業の影響力が肥大化していることを問題視している。当然、タックスヘイブンの取り締まりは、有権者を魅了する大義となる。あらゆる立場の政治家にとって、このストーリーへの対策をめぐってイニシアティブを示すことが必要だし、賢明なはずだ。(シャクソン)

所得格差は米経済の全般的成長との関連性はそれほど強くないにしても、経済全般そして経済的成功へのネガティブなイメージを育むために、社会を蝕んでいく。市民がシステムのことを公正に機能していないとみなし、経済的成功など望みようもないと考えるようになれば、勤労と能力主義というアメリカの理念に背を向けるかもしれないし、この現象はすでに起きているのかもしれない。(カーニー)

もっとも多くの利益をもたらす違法行為に手を染めているのは、犯罪のプロだけではない。いまや政府高官、政治家、情報機関や警察のトップ、軍人、そして極端なケースでは国家元首やその家族たちも違法活動に関わっている。世界各地で、犯罪者がこれまでにないレベルで政府に食い込み始める一方で、パワフルな犯罪組織を取り締まるどころか、政府が犯罪組織に代わって違法活動を行っている国もある。こうして犯罪組織と政府が融合した「マフィア国家」が誕生している。(ナイーム)

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