Prime Minister of Israel / flickr
2018.5.15 Tue
イスラエルと日本
―― 関係強化に向けた期待と不安
これまでとかく疎遠だった日本とイスラエルも、いまや、グローバルエネルギー市場と日本国内の政治・経済情勢の変化、そして世界の地政学的パワーバランスの構造的シフトを前に、緊密な協力関係を模索している。しかし、両国関係を深めていく上で課題もある。イスラエルとの関係を深めることで日本は中東の複雑な宗派間の争いに巻き込まれることへの懸念もある。さらに、日本はこれまで回避してきたテロなどの非伝統的な安全保障上のリスクにさらされる可能性も高くなる。一方で、日本政府がイスラエルの西岸政策を繰り返し批判してきただけに、イスラエルのエリート層も不安に感じている。(ブランマー、オレン)
パレスチナ経済が崩壊すれば、その政治体制が壊れた場合同様に、パレスチナと近隣諸国にダメージを与える。パレスチナ経済が独り立ちできない限り、和平合意がうまく履行されることもないだろう。パレスチナの経済成長を刺激するためには、対外援助機関や肥大化した公的セクターではなく、民間産業に目を向けるべきだろう。実際、テクノロジー系のスタートアップ企業なら、最善の機会を創り出せる。手堅い経済基盤と境界線を越えたビジネスパートナーシップがあれば、政治家が合意をまとめ、パレスチナ国家が間違いなく持ち堪えていくための大きな助けになるだろう。(ヤディン・カーフマン )
イスラエルが外交によって地域環境を整備できない最大の要因は、イスラエル軍が政策決定に非常に大きな影響力をもち、そして市民も依然として軍を頼みとしているからだ。政策を実行するには、必然的に軍部を関与させざるを得なくなっている。イスラエルの政策を穏健化させる最良の方法は、イスラエルの軍部と情報機関高官を和平に向かわせるように試みることだが、彼らが政治から距離を置き、自分たちの本来の役目へと立ち返ることは当面あり得ないだろう。(アルフ・ベン)