2018.3.26 Mon
【4月号プレビュー】
対中幻想に決別した新アプローチを
―― 中国の変化に期待するのは止めよ、ほか
中国に対するアメリカの外交や通商面でのエンゲージメントも、軍事力もアジアリバランシング戦略も効果はなかった。リベラルな国際秩序も、期待されたように中国を惹きつけることも、つなぎ止めることもできなかった。中国はむしろ独自の道を歩むことで、アメリカの多方面での期待が間違っていることを示した。したがって、アメリカはさまざまな働きかけで中国が好ましい方向へ進化していくという期待に基づく政策をとるのはもう止めるべきであり、中国に対する自国の力をもっと謙虚に見据える必要がある。(キャンベル、ラトナー)
ティラーソンは、バノン(首席戦略官)やミラー(政策担当上級顧問)のような、トランプ大統領を取り巻く保守・ナショナリストによる攻撃から国務省を守ることができなかった。後任のポンペオは、その忠誠ゆえにトランプに好ましく思われているが、大統領が外交的カオスを作り出そうとしたり、無謀にもアメリカを脅かす脅威を無視しようとしたりしたときに、大統領の前に立ちはだかれるだろうか。ポンペオのCIAでの記録をみれば、楽観は許されない。(パトリック )
ワシントンでは「イランの影響力を押し返せば中東に秩序を取り戻せる」と考えられているが、これは間違っている。むしろ、今後の持続可能な中東秩序にとって、イランが必要不可欠の存在であることを認識しなければならない。また、イランの対外行動が、イスラム革命の輸出ではなく、国益についての冷徹な計算によって導かれていることも理解すべきだ。現在の中東政策を続けても、イランの影響力を低下させることはなく、むしろ中東におけるロシアの影響力を拡大させるだけだ。(ナスル)