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2018.3.22 Thu
民主国家を脅かす 権威主義国家のシャープパワー
―― ジョセフ・ナイ、ほか
エルドアン大統領は、国内の抑圧体制を強化するだけでなく、外国のトルコ系コミュニティも弾圧の対象にしている。この動きを通じて、トルコは、国内での権利や自由の抑圧を国境の外でも強要するシステムへと国際秩序を変貌させつつある。「グローバルパージ」が脅かしているのは、外国のトルコ系コミュニティだけではない。世界の法の秩序に対する脅威を作り出している。(シェンカン)
民主社会が権威主義国家のシャープパワーに対抗していく上で留意すべきことがある。それは、権威主義と同じやり方で相手のシャープパワーに対抗措置をとってはならないということだ。そのような過剰反応を示せば、自らのソフトパワーを傷つけることになる。アメリカ社会へのアクセスを閉ざしたり、その開放性を無くしたりすれば、ソフトパワーという大切な資産を損なうことになる。(ナイ)
民主国家をターゲットにするロシアの情報操作の目的は、アメリカやヨーロッパの主要国を中心とする民主国家の名声そして民主的システムの根底にある思想を多面的にかつ容赦なく攻撃することで、自国をまともにみせることにある。一方、中国の情報操作は、問題のある国内政策や抑圧を覆い隠し、外国における中国共産党に批判的な声を可能な限り抑え込むことを目的にしている。(ウォーカー、ルドウィッグ)