Focal Points

2018.2.2 Fri

【2月号プレビュー】
信頼性失墜の果てに
――ドナルド・トランプという外交リスク

主要な選挙公約への立場を何度も見直し、ツイッターで奇妙かつ不正確なコメントを流し、脅威を誇張し、即興的に何かを約束する。アメリカ市民だけでなく、世界の人々も、すでにトランプの予測不能な発言や矛盾するツイートに慣れてしまっている。しかし、アメリカの意図を明確に示すために必要な信頼を大統領がもっていなければ、どのように敵を抑止し、同盟国を安心させられるだろうか。(ヤーヒ=ミロ)

黒人の大統領を2度にわたって選び、黒人のファーストファミリーを持ったものの、結局、後継大統領選はある意味でその反動だった。歴史的に、肌の白さは経済的・社会的地位に関係なく価値あるものとされ、肌の黒さは価値が低いとみなされてきた。黒人を社会のピラミッドの最底辺に位置づけることで、白人の階級間意識が抑制されたからだ。奴隷制の遺産に向き合っていくには、白人至上主義にも対処していかなければならない。(ゴードン=リード)

かつて最低賃金の導入に批判的だったIMFとOECDも、いまやそれが適正なレベルの引き上げなら、最低賃金をうまく考案された労働政策の一部として位置づけるべきだと提言している。だが妥当なレベルをどのように決められるだろうか。穏当なレベルの引き上げなら、最低賃金レベルの就労者の所得は増える。だが、過度に最低賃金を引き上げれば、雇用は少なくなっていく。(マニング)

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