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2018.2.15 Thu

イギリスのブレグジット・ジレンマ
――イギリスの解体か保守党の分裂か

今後数カ月でEU離脱推進派の主張のまやかしが白日の下にさらけ出される。イギリスは2019年3月にEUを離脱する。しかし短期的にはイギリスが主権を完全に取り戻すことはない。移行期においてEUは現状を維持する一方で、イギリスの声はEUの意思決定に反映されることはなくなる。移行期間中のイギリスはEU加盟国としてのあらゆる義務を負う一方で、EUにおける議決権を失う。しかも、どのようなブレグジットを望んでいるのか、イギリス国内にコンセンサスはない。・・・(マタイス)

いまやヨーロッパ市民の多くは、EU(欧州連合)の拡大と進化、開放的な国境線、国家主権の段階的なEUへの委譲を求めてきた政治家たちに幻滅し、(超国家組織に対する)国民国家の優位を再確立したいという強い願いをもっている。・・・EU支持派の多くは、この超国家組織がなくなれば、ヨーロッパ大陸は無秩序に覆い尽くされると主張している。だが現実には、自己主張を強めた国民国家で構成されるヨーロッパのほうが、分裂して効率を失い、人気のない現在のEUよりも好ましいだろう。アメリカの指導者とヨーロッパの政治階級は、ヨーロッパにおける国民国家の復活が必ずしも悲劇に終わるとは限らないことを理解する必要がある。(グリジェル)

いまや世界はノスタルジックなナショナリズムに覆われている。紛争が起きやすい環境だ。しかし一方で、過去への郷愁が国家間協調を促すこともある。この文脈で、プライドを捨てきれないイギリス人の多くにとっての積年の夢、「アングロスフィア(英語圏諸国)」の再形成が次第に現実味を帯び始めている。メンバーとなり得るのはオーストラリア、カナダ、ニュージーランド、アメリカ、イギリスといったアングロサクソン文化を共有する国々だ。これをきっかけに、世界は文化を共有するコミュニティへ分かれていくかもしれない。(カンパネッラ)

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