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2018.12.12 Wed

民主国家で台頭する権威主義
―― 民主主義の危機にどう対処するか

民主主義が劣化していくにつれて、権威主義化していく。特に、選挙で勝利を手にするためなら何でもする「選挙権威主義」体制、そして選挙後に支配者が法を無視して思うままの行動をとるようになる「非自由主義的民主主義」が主流になっていくだろう。(権力を思うままに行使して)非自由主義的民主主義を実践しているトランプも同様だ。・・・(スレーター)

ファシストが台頭した環境は現在のそれと酷似している。19世紀末から20世紀初頭のグローバル化の時代に、伝統的なコミュニティ、職業、そして文化規範が破壊され、大規模な移住と移民の流れが生じた。現在同様に当時も、こうした変化を前に人々は不安と怒りを感じていた。だが、根本的な問題は、当時の民主主義が、戦間期の社会が直面していた危機にうまく対処できなかったことだ。(バーマン)

トランプのアメリカがファシズムに陥っていくと考えるのは行き過ぎだが、彼が大統領になったことで、この国が「競争的権威主義」、つまり、有意義な民主的制度は存在するが、政府が反対派の不利になるように国家権力を乱用する政治システムへ変化していく恐れがある。現在の環境では、仮に深刻な権力乱用が暴かれても、トランプの支持者たちはこれを党派的攻撃として相手にしないだろう。・・・(ミッキーほか)

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