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2018.11.1 Thu

引き裂かれたヨーロッパ
―― 多数派のアイデンティティ危機

事件が起きても、それが問題として社会で認識されなければ、解決策を考えることもできない。これまでなら嘘や間違いが許容されることはなかった。しかしドイツでも、起きたことを起きなかったと主張する政治家が登場している、米同様に独でも「真実の時代」が終わりつつある。(ディーツ)

金融危機は、既存の政治システムへの信頼を損ない、極右のポピュリストを台頭させる。もっとも、危機から5年もすれば、政党の乱立と分裂現象は収まり、極右勢力は勢いを失う。だが2008年の金融危機は違う。10年を経ても、政治勢力の細分化や分裂、極右勢力の台頭が続いている。(フンケ、シュラリック、トレベック)

ヨーロッパの政治的主流派が嫌がる市民に難民のうけいれを強要したことが右派ポピュリストに力を与えた。しかし本当の問題は、民族的多数派である白人が、大規模な移民流入を前に社会が変化し、国と自分たちの共同体のつながりが希薄化していると感じていることにある。(カウフマン)

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