2018.10.4 Thu
最近のメディアで取り上げられた論文から
―― 温暖化と異常気象、外国人労働者政策と日本の信頼性、など
二酸化炭素の排出量は増え続けており、今後1世紀で、世界の気温は最低でも4度上昇する軌道にある。2050年を過ぎると、世界の人口の半数以上が、経験したことのない暑い夏に苦しめられるようになり、それ以降、地球の陸地の44%は乾燥し始める。温暖化した地球ではより極端な現象が起きるようになる。熱波、大暴風雨、干ばつなど(の異常気象)が気候変動によって引き起こされていることはいまや立証されている。・・・もはや排出量をゼロに抑え込むだけでは十分ではない。すでに大気中にある約1兆トンの二酸化炭素を取り除かなければならない。(ラマナタン、ソロンドほか)
政府は閉鎖的な移民政策を見直すことなく、外国人労働力受け入れのために二つの法的な抜け穴を作った。第1の抜け穴は日系人向けの「定住者」在留資格、もう一つは技能実習制度(TITP)だった。問題は、労働者不足が深刻化しているために、外国人労働者割当を増やさざるを得ないが、彼らに対する法的制約が見直されていないことだ。この状況が続けば、外国人労働者に社会や法律へのアクセスを閉ざした湾岸諸国のような状況に陥り、世界のリベラルな民主国家の一つとしての日本の名声が脅かされることになる。(ティアン、チャング)
(小さな政府を標榜する)共和党がホワイトハウスと議会をともに制した結果、その歩みが停止に追い込まれているとしても、アメリカにおける社会民主主義の未来が閉ざされたわけではない。米政府の構造と、社会保障制度への世論の支持が、現在および未来の共和党多数派が唱える「小さな政府」のビジョンに大きく立ちはだかることになるだろう。いずれ、現在の試練も社会民主主義への道のりにおける行き止まりではなく、一時的な遠回りだったことが理解されるはずだ。(ケンワーシー)
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温暖化と異常気象が人類を脅かす
―― ダメージ管理から環境浄化への道を2018年9月号 ビーラバドラン・ラマナタン、マルチェロ・サンチェス・ソロンド、パーサ・ダスグプタ、ヨアヒム・フォン・ブラウン、デビッド・ビクター
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外国人労働者政策と日本の信頼性
―― 労働力確保と移民国家の間2018年9月号 ユンチェン・ティアン ジョンズ・ホプキンス大学 博士候補生(政治学)、エリン・アイラン・チャング ジョンズ・ホプキンス大学 准教授(東アジア政治)
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社会民主主義は死滅していない
―― 「小さな政府」と福祉国家の間2018年9月号 レーン・ケンワーシー カリフォルニア大学サンディエゴ校 教授(社会学)