2018.10.19 Fri
デジタル経済圏の地政学
―― デジタルグローバル化にどう備えるか
デジタル革命を担うのは、人間の頭脳を代替する人工知能(AI)だ。本質的に、人間レベルのAIは人間ができることすべてをより巧みに遂行できる。おそらくロボットはすべての仕事の4分の1(25%)以上を担うことになると考えられている。・・・これに比べれば、中国の台頭などの21世紀の地政学的動向は、あと20年もすれば、どれも、取るに足らぬ問題にすぎなくなる。どの国が世界最高のAIを保有しているかですべては決まるし、政府形態も流動化していく。(ドラム)
デジタルグローバル化は、イノベーションと生産性を高め、かつてない情報アクセスを提供することで、世界中の消費者とサプライヤーを直接結びつけることができる。だが、これも破壊的プロセスを伴う。特定の経済部門や雇用が消滅する一方で、新たな勝者が生まれるだろう。企業と政府は、新しいグローバル化に派生する迫り来る破壊に備える必要がある。(ルンド、タイソン)
グーグル、フェイスブック、アマゾンなどの「デジタルスーパースター企業」は、企業であるとともに、膨大な顧客データを占有する市場でもある。消費者の好みや取引について、運営会社がすべての情報を管理し、そのデータを使って独自の意思決定アシスタントに機械学習をさせている。・・・データが共有されれば、複数のデジタル企業が同一データから最善の洞察を得ようと競い合うようになり、デジタル市場は分散化され、イノベーションも刺激されるはずだ。(メイヤー=ションバーガー、ランゲ)
-
テクノロジー・ワールド
―― 地政学革命としての人工知能2018年7月号 ケビン・ドラム マザージョーンズ スタッフライター
-
変化する貿易と経済地図
―― デジタルグローバル化にどう備えるか2018年7月号 スーザン・ルンド マッキンゼー・アンド・カンパニー パートナー、ローラ・タイソン カリフォルニア大学 バークレー校経営大学院教授(経済学)
-
デジタル企業の市場独占と消費者の利益
―― 市場の多様性とレジリエンスをともに高めるには2018年10月号 ビクター・メイヤー=ションバーガー オックスフォード大学教授 (インターネット・ガバナンス・規制)、トーマス・ランゲ 独ブランドアインズ誌テクノロジー担当記者