The White House
2018.10.15 Mon
次期サウジ国王の野望と夢
―― 壮大な社会・経済改革の行方
モハメッド・ビン・サルマン皇太子は、民間経済の強化を通じて経済を多角化し、石油への依存を軽減するとともに、これまでの社会契約を見直して民衆や世論の支持を重視する路線に転じている。反政治腐敗キャンペーンを利用して王族内の秩序改革も試みている。権力の多くを手中に収めた皇太子が進める改革が長期的にどのような作用をするかは、彼が実際にどのような指導者になるか、反政治腐敗キャンペーンをどのような意図で進めていくかに左右される。・・・(ゴースIII)
いまやほぼすべてのアラブ国家は「恐れ」と「野望」をもっている。国内での民衆蜂起、イランパワーの拡大、アメリカの中東からのディスエンゲージメント(で引き起こされる事態)に対する「恐れ」をもつ一方で、弱体化した国と国際的な混乱につけ込みたいという各国の「野望」が、破壊的な紛争への関与へと走らせ、地域全体をカオスに巻き込みかねない状況にある。(リンチ)
グランド・エチオピア・ルネサンス・ダムは多層的な課題を抱えている。ダムが完成すればエチオピアは近隣諸国に相当規模の電力を輸出できる電力生産ができるようになる。隣国スーダンも、ダムが自国の農業に恩恵をもたらすことを期待している。一方、水資源に乏しいエジプトは、上流でのダム稼働によって深刻な事態に直面する恐れがある。しかも、中東での影響力の確立を求めて競い合うトルコ、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)はアフリカ北東部に陸海軍の基地を確保し、耕作可能な土地を手に入れているだけでなく、ライバルに圧力をかけようと現地で傀儡勢力を育成しているようだ。・・・(ハンナ、ベナイム)